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田上町B様邸新築工事③(外断熱)

 

 

 

現在進行中、新築現場です。

 

年明けから外壁屋さんが現場入りですので外部木工事の追込み中です。

この時期の外部は天気との戦いでもありますが、ここまでの全ての工程で水気・湿気を排除しながら進めてこれてたいへん気分が良いです!!(←工期にある程度の余分をみておかないとやり繰りできない状況になります。材が濡れたままどんどん進めて行かざるを得ない状況になっちゃいます。)

現場がジメジメしてるとイライラしちゃいます。笑

 

 

 

 

さて今回は、

 

 

[外断熱のお話]

 

 

構造体の外側を断熱材で囲んでしまおうっていう工法です。

私の考えるメリットのひとつは、熱の逃げ道=熱橋(ヒートブリッジ)をほとんど無くせる事。

だから暖房・冷房が効きやすい。

一般的な充填断熱は柱〜間柱に断熱材をとめていきます。その時の「柱と間柱」=「木材部分」が熱の通り道になります。木材の熱の伝導率が断熱材よりも高いため木材を通して内から外へ、外から内へ熱が行き来しやすい事になります。(断熱材と木材を比較するとって話しです)

 

外断熱工法では、柱など骨組みの外側を包むように施工するので、熱の逃げ道をほぼゼロにできます。

    断熱材のジョイント(つなぎ目)は気密防水テープで処理します。

空気の行き来を防ぎます、水の浸入を防ぎます。

外断熱材を防水テープ処理する事で、防水層がひとつ増えるのでそれもメリットです。

 

 

 

 

デメリットのひとつは単純にコスト増です。

屋根垂木が二重になります(材・工、増)

断熱材の繋ぎ目すべてテープ処理します

屋根垂木・外壁下地をデカいビスで留めます

 

デメリットもうひとつは、壁内部が空洞になる事で音が響きやすくなると感じます。

それはリビングで落ち着きたいとき、勉強や仕事に集中したいときなどに、気になるかもしれません。(外部の音は聞こえにくいですが、建物内で発生した音が響くと思います。)

ですが、今回のお宅の仕様は二重断熱です。壁内部の充填断熱も施工するので上記の心配はありません。

外断熱の施工のみ&その他の施工との相性などで考えられるデメリットかもしれません。

 

 

さらにもうひとつの考えられるデメリット、発泡ウレタンフォームの形状維持。万が一、外貼り断熱材が時間の経過で形状維持できなかったとき、外壁材がずり下がるかもしれません。それを防ぐため、最下部・中間部に補強木材を追加しました。(←これは上記のヒートブリッジになる部分ですが、、内部充填断熱・外壁タイル貼りとの相性により選択したもので、最良の施工と判断しました。)

 

 

 

 

「完璧」な工法・材料は存在しません。高機能になればなるほど反面も出てきます。

ですが、施主さんのご希望を叶えられるよう建築をコントロールするのが私たちの役目と思っています。