大工とつくる家。川見建築

川見建築

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定期講習から学ぶこと。

 

 

 

kawami kenchiku

 

 

 

私的なテーマ。

『近年発生する大地震にどのような施工が有効か』

(竜巻、突風に対しても自論がありますが今回は地震に関して)

 

 

 

 

 

現状の建築基準法における耐震の目標は

「大地震から倒壊を防いで命を守る」

こと。

 

=イコール

 

「一度の大地震で住むことができなくなる建物」

になってしまう事は充分考えられる。

 

 

 

 

 

大地震の際、損壊や一部損壊で立ち入りを禁止された住宅をよくニュースで目にした。

 

命があっても住む所を失った方たちの暮らし、何年も仮設住宅に暮らすなんて、

 

想像すると胸が痛い。

 

 

 

 

これを、『修理して住めるくらいの損壊』に抑えれれば被災者の負担は相当軽くなる。

 

なんとかして、

「外力に耐えて粘る、修繕がしやすい建物」

をつくっていく事がこれからの課題と感じる。

 

その方法として有効な施工方法が今回の講習で目にとまった。筋交いは粘らない。

 

では何がよいのか、 面材の釘打ちだ。

 

 

繋がった。

 

 

最近の私がリノベーション現場でやっている事がそれだ。釘ピッチは大工としての感覚で、最も効きそうなピッチで。多く打てば良いわけではない。(一般的には細かくても100㎜ピッチだ)

 

私のイメージでは、

もっと細い釘をこの半分くらいのピッチで打ったら耐力壁として一枚の固まりで地震の大きなエネルギーに粘って抵抗してくれそうな気がする。

 

 

上記の面材釘打ちによる耐力壁は

 

①写真のように柱ツラに打ち付ける方法と、

②柱・横架材の内に入れ込む方法があるが、

 

②だと大地震で揺さぶられたときに柱と横架材を引抜く方に力が働いてしまう。

(具体的には、面材が突っ張りになって柱と土台・柱と梁を引き抜いてしまう。なので接合部に強力な金物が必要。筋交いも同様。)

①だと引抜こうとする部材を押さえる方に力が働く。(私はそう考える。国のデータや研究機関のデータは鵜呑みにしない。参考程度にしている。)

 

 

大工としての感覚イメージでした選択と、

研究機関の分析結果が一致した。

 

自分の持つ感覚の確認作業ができた。

 

 

 

 

 

 

その他にも、腰壁や下がり壁などの「雑壁」が耐力の余力として効果があったそうだ。

 

この感覚も大工にはある。

その下地の組み方にもよるはずだ。

材と材を直行で施工していく事でねじれに抵抗する事は現場で体感している。

それらが複数に合わさって住宅がつくられている。

多少なり耐力になるに決まっている。

研究機関で未試験だったり、数値化してないから構造として計算できないってだけの話なのだろう。

 

 

 

その他にも、これからの木造建築の可能性や流行なども「ふむふむ」と感じた。

ミッドセンチュリーの家具にも通じるかも。

新しい技術が現れると実現可能なデザインも増える、流行するという流れ。

「流行」。活発になって良いことだと思う。

が、同時に悪い事も増えると思うが、それぞれが根拠のある判断でチョイスすれば問題ないと思う。悪いものを見抜く力は発注者、請負者それぞれが持つべきだ。

 

 

 

 

まだまだ木造建築は進化してくだろうな。

 

今日までの技術と、これからの技術、全てに均等な意識で、

最善・最良の方法を見つけ、ものづくりしていこう。

 

 

kawami kenchiku